遺言
遺言書の「付言事項」とは?
2025-04-14
[遺言]
多摩市多摩センターあべ司法書士事務所です。
遺言書は、民法の定める方式を満たしてさえいれば、何を書いても構いません。
しかし、何を書いても法的な効力が生じるかというと、そうではありません。
法的な効力が生じるのは、民法を中心とした法律で定められた事項に限られます。
書いてOK、しかも法的効力があるのは?
まず、遺言書に書けば法的効力が生じる事項には、次のようなものがあります。
●相続分の指定
たとえば、「長男に1/3、次男に2/3を相続させる」といったように、民法の定める“法定相続分”とは異なる割合を指定することが可能です。
●遺産の分割方法の指定
「不動産は妻に、預貯金は長女に相続させる」といった具体的な分け方を指定することもできます。
●遺言執行者の指定
遺言の内容を実際に実行してくれる人を決めておくことができます。
これらは、民法で定められている内容なので、書いておくことで法的な効力が発生します。
書いても法的効力はないけれど…
一方で、遺言書に書いても法的拘束力がない事項もあります。
たとえば、
●葬儀や法要の方法
●「遺された妻の面倒は次女が見てほしい」といった希望
●会社の後継者を誰にするか
こうした内容は、法律上は効力が認められていないため、書いたからといって必ずその通りになるわけではありません。
それでも「想い」を伝える意味はある
では、法的効力がないなら書く意味がないのか? ―― 決してそんなことはありません。
例えば、「なぜこのような遺産分配にしたのか」「特定の相続人に相続させる分を多くした理由」「家族への感謝の気持ち」などを書くことで、残されたご家族の感情的なわだかまりをやわらげ、争いを防ぐことにつながることもあります。
このような、法的効力はないが、気持ちやメッセージを伝える文章のことを、「付言事項(ふげんじこう)」と呼びます。
<付言事項の例>
たとえば、次のような付言事項があると、ただ単に分配方法や数字が書いてあるよりも、ずっと納得感が得られるかもしれません。
「付言事項
次男のBとその妻Cには、母の介護に続き、私の老後の世話までしてもらい、本当に感謝しています。
長男のAも遠くから常に気遣ってくれて、ありがたく思っています。
私の財産には先祖代々の土地も含まれているため、地元に残っているBに多くを相続させますが、Aも私の大切な息子であることに変わりはありません。
Aには、私の気持ちを理解してもらえると信じています。
どうか、今後も兄弟仲良く過ごしてほしいと願っています。ありがとう。」
このような言葉が書いてあるだけで、心情的なわだかまりが解ける可能性もあります。
エンディングノートも活用を
ちなみに、法的効力を伴わない「想い」や「希望」を伝えたい場合には、「エンディングノート(もしもノート)」を活用するのも良い方法です。
遺言書とは違い、形式にとらわれず、自分の人生や想いを言葉にして残すことができます。
まとめ
遺言書は「法的に有効なこと」だけを書く場所と思われがちですが、ご自身の“想い”をどう家族に伝えるかも大事なことだと思います。 ぜひ、「付言事項」を上手に活用して、遺された方々の心にも寄り添う遺言書をご作成ください。
多摩市多摩センターで遺言書の作成をお考えの方は、あべ司法書士事務所にご相談ください。
