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[非表示]多摩市多摩センターあべ司法書士事務所です。
2020年7月からスタートした「自筆証書遺言書保管制度」。
これは、自分で書いた遺言書を法務局で預かってもらえるという仕組みです。
自筆の遺言書を自宅で保管している場合には紛失や改ざんのリスクがありましたが、この制度を利用すればそうしたリスクは回避できます。
◆どんな遺言書が対象?
保管の対象になるのは、民法968条に定められた「自筆証書遺言」。
この形式の遺言書は、「財産目録」以外の部分はすべて自分の手で書く必要があります。
◆この制度のメリット3つ
① 紛失・改ざんのリスクを回避
遺言書の原本は法務局で保管されるので、公正証書遺言と同様に、もしもの時に「見つからない」「誰かに書き換えられていた」などの心配がなくなります。
② 家庭裁判所での“検認”が不要
これも公正証書遺言と同様に、遺言者が亡くなった後の家庭裁判所での検認の手続きが不要となります。
(相続人が裁判所に出向く必要はなくなります。)
③ 遺言書の形式不備のリスクもなくなる
保管申請時に、法務局が遺言の形式(全文の自書、日付・氏名・押印の有無など)を確認してくれます。
これにより、形式的なミスで遺言が無効になるのを防げます。
◆費用は?
法務局で保管申請をする時にかかる手数料は3,900円。
公正証書遺言の作成にかかる手数料と比べるとかなりお手頃です。
◆でも注意点も…
一方で、法務局では遺言の内容についての相談はできません。
たとえば「この書き方で問題はないか?」「この内容で本当に大丈夫?」といった疑問に答えてくれるのは司法書士などの専門家です。(公正証書遺言を作る場合は公証人の確認・助言が受けられます。)
不安がある場合は、専門家に相談してからこの制度を使うか、最初から公正証書遺言を選ぶのが安心です。
◆遺言者が亡くなったら?
遺言者が亡くなっても、遺言書の原本は法務局で保管されつづけます。
(亡くなったからといって原本を返してもらうことはできません。)
相続人などの関係者は、法務局から「遺言書情報証明書」という、遺言書の原本の写しに証明文が付けられた書類の交付を受けて、相続の手続きを進めることになります。
その際に必要となる書類は、主に次の2つです。
(A)遺言者の相続関係を証する戸籍関係書類一式(遺言者の出生時から死亡時までの一連の戸籍除籍謄本など)
(B)相続人全員の住民票
ちなみに、家庭裁判所での自筆の遺言書の検認の手続きでは「(B)相続人全員の住民票」は標準的な添付書類とはされていません。
従いまして、遺言者の死後に収集が必要となる書類は、検認手続きよりも多くなります。
◆公正証書遺言との違い
公正証書遺言が手元にある場合は、
家庭裁判所の検認手続きが不要
法務局からの証明書取得も不要
必要な戸籍書類も最低限でOK です。
たとえば、「不動産を配偶者に相続させる」という内容の公正証書遺言があれば、亡くなった後で不動産の名義変更に必要となる戸籍謄本は「遺言者の死亡と配偶者が記載されたもの」1通だけで済みます。
◆まとめ
「自筆証書遺言書保管制度」は手軽で費用も安く、単純な形式のミスも防げるという便利な制度です。
ただし、<相続手続きのスムーズさ>や<死後のトラブル発生の可能性の最小化>を重視するなら、公正証書遺言の方が安心できる選択かもしれません。
遺言は「最後のメッセージ」。
自分の想いをきちんと届けるために、どの方法が自分や家族にとってベストか、考えていただければと思います。
